Gaku

キャッシュトラックのGakuのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.6
 ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムのコンビ映画再び! 
 アメリカ、ロサンゼルス。ある中年の新人、H(ジェイソン・ステイサム)が現金輸送を営む警備会社に入社。射撃や他の訓練の成績はイマイチ、社員基準ギリギリでそれほどに周囲からも期待されずに彼の仕事が始まる。ところが実際に強盗グループの襲撃に遭った際に、襲撃犯を軒並み撃ち殺すという凄腕であることが判明。そのため当初はヒーロー(Hero)として歓迎されるが、二回目に強盗犯に襲撃された時には、強盗犯が彼の顔を見ただけで立ち去ってしまうという珍事が。果たして彼は何者なのか? そして実のところHには秘めた素性とかことがあり。。。
 ガイ・リッチーが魅せる演出のやり方は『リボルバー』のそれを踏襲し、過去と現在を何度か行き来して、観客に謎と謎解きを交互に与えていく。その語り口はノワール的なミステリーと噛み合って、なかなかに画面から目を離せない展開を作る。
 ただ、前半はやや平凡なエンターテイメントのリズムで、少し飽きが来ていたことも確か。その分、後半でグイグイと観客を物語の謎に巻き込んでいくのは見事ではある。その意味で、『リボルバー』で陥った失敗にはまらず、世間受けしながらも、ガイ・リッチーらしさを出した佳作といえようか。ステイサムの演技がやや(いつもながら)単調といえなくもなく、もう少し傍に魅力的な俳優を配してもよかったかなとも思う。
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