フォロワーさんが多くレビューを上げていたのと、ガイ・リッチー作品ということで視聴。
これまでのガイ・リッチーはロック・ストックやスナッチのようにコミカルな仕上がりで群像劇をうまくまとめる、というイメージだったが、今作品ではその姿はグッと抑えて、渋み一辺倒。オープニングからシリアスでそして全編を通して悲痛な思いがつまっている。
現金輸送車の仕事についたステイサムが謎の強さとタフさをみせながら、襲撃者を撃退していく。そこに現金ジャックのプロ強盗集団が現金輸送車に狙いを定め、という展開だが、ステイサムの瞳には違うものが写っている、というのが大筋。
いつも寡黙なステイサムだが、今作品でももちろん寡黙。ただその寡黙さの中に静かなる決意が漲っており、家族から罵られてもその決意はゆるがず、彼の行動につながる。
強盗側の作戦立案や実行の細部もよくできており、そちらも楽しめる。もう少しそちらに魅力あるキャラがいれば深みがでたかも。強盗時の緊迫感や、プロらしさはヒートを思い起こした。
ラストに向けた展開は徐々にプロらしさを失っていくところが残念ではあったが、最後まで静かなる決意、が詰まっていた。
ステイサムとガイ・リッチーは切ってもきれない関係性でどちらも好きなんだが、近年のステイサムは寡黙で強さMAX感しかないので少し幅がほしいかも。個人的にはロック・ストックのおバカキャラが嫌いじゃない。