とりん

キャッシュトラックのとりんのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.6
2022年67本目

ガイ・リッチー監督と主演のジェイソン・ステイサムが久しぶりにタッグを組んだ本作。
現金輸送トラックの警備会社に勤めるH、ある日襲ってきた強盗たちは彼の顔を見て退散してしまう。一体彼は何者なのか。
というのが本作のあらすじではあるものの、蓋を開ければ以前の同様の事件に巻き込まれて息子を失ったために潜入捜査をしていたギャングの親玉だった。しかも彼はFBIの手にも25年捕まることができなかった超大物。
という設定を知ると、なんだ復讐ものかと思いがちだけど、そこはガイ・リッチー監督、うまい構成で見事に引きつけてくれた。
4部編成となっている本作は、まさに起承転結ともいえるように、徐々に真相が明るみになっていく。でもどちらかというと起承承転みたいな感じだけど。
正直H以外の過去は結構どうでもいい感じ、あくまでHの話を引き立てるレベル。だから3部目はそこまで重要視はしていない。彼らがどうであれ、スリルと金欲しさに強盗殺人するということ自体が理解不能なので。
Hを見て逃げていった強盗たちは真犯人とは別で、元彼の手下である。まさか自分たちが襲おうとした警備会社にいるとは思わなくてというところだろうが、さすがに自分のボスの動向がこうなることくらいは読めるのでは。そして一番引っかかったのがそれだけ大物なのに、警備会社にあっさり入れたこと。まぁギャングなので根回しくらいは余裕でできそうだけれど、少なくともFBIにずっと追われてるくらいのレベルなら名前とか顔ってもっと知っててもいいレベル。まぁそこにはあの協力的なFBIの存在があるからだろうけども。ちょっとその辺りが元々の掴み部分なので、弱さというか引っかかりは否めなかった。
でもこういう作品にしては面白い構成なのは間違いないし、ただのクライムアクションかと思いきやという具合に楽しめた作品であった。
最初にHにのされる強盗たちの中にポスト・マローンがいたのは驚いた。しかも彼だけマスク被らないというあまりにも表向きスターをわざと使うような使い方は笑いと疑問が残った。
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