中国のお馴染みの古典文学「水滸伝」の中の英雄、大酒呑みの武松が世を恐怖に陥れていた人食い虎を退治するエピソード「景陽岡の虎退治」を娯楽色を強めに描いた痛快時代劇。
原作とはかなりかけ離れたエンタメに全振りの漫画チックな展開と雰囲気。
面長で男臭く無骨な感じの武松の風貌と欲がなく裏表もない性格は惚れる。
性格は清水の次郎長で云うところの森の石松みたいな感じで漢を感じる。
戦いのシーンなどかなり誇張した人間離れしたアクションが多い。
この辺は武侠アクションとして観たほうが良いですね。
VFXを使用して非常にダイナミックなアクションでスピード感もスゴくて迫力満点です。
ただしCGの虎はちょっと動きがぎこち無いところがあり、虎の表現はもうちょっと頑張って欲しかった。
暗黒の時代の話なので暴力と混沌が蔓延っておりゴア描写も強め。
時々あるコメディ要素がちょっとした箸休めになっています。
ヒロインの三娘も色気立つ美人で華がありました。
暴君の皇子も悪役としてスゴくムカついて良いキャラクターしてました。
お人好しでちょっと抜けたところのある義兄も物語を彩っていました。
あんなに斬って刺されて不死身かよと思うし、虎の謎とかフワッとし過ぎてよく分からない…。
水滸伝の武松とは大分イメージが違うし、「景陽岡の虎退治」をかなりファンタジーに解釈した物語なので好き嫌いは激しい作品だと思います。
荒唐無稽な娯楽アクション映画といった感じで私は充分に楽しめた作品でした。
まとめの一言
「元祖酔拳」