エレガントでアングラなロマンス映画。1976年当時はスタイリッシュな映画だったと思う。今観ても斬新でありスタイリッシュ。
女主人のアリアーヌの部屋は上と下の階で別れており、上の階はパリらしい内装で、下の階には罰を求めてやってくる客のための鏡貼りのダンジョンの様なところで、鞭や鎖、拷問器具などが並んでいる。そしてこの2つの階はSFチックな隠し階段で繋がっている。上の階でオリヴィエとアリアーヌはカップルとして恋愛をし、下の階でアリアーヌはサディスティックな行為を続けている。そして2人の関係や、下の階で行われている顧客との関係が少しずつ崩れていく。
この映画のSMシーンは実際のマゾヒストが参加して撮影されたとのこと。そして、オリヴィエが酔っ払って屠殺場に迷い込むシーンが忘れられない。瀕死の馬は逆さに吊るされながらも逃げだそうとする。パリの美しい街並みの裏にはこの様な場所があるのだということを示していると思った。ラスト、車のハンドルを握りながらお互いの対等な愛を確かめ合うシーンが印象的。