アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞。
タコの神秘に魅せられ、約一年間、毎日海に潜り続けた映像作家の記録。
生物の生態を追う単なるネイチャードキュメンタリーとは異なり、非常にエモーショナルなのが特徴。
映像作家として行き詰まっていた彼は、海に潜るうちに大自然と生き物からさまざまなことを教えられ、変化していく。
まさかタコのドキュメンタリーで涙腺が緩むとは思わなかった。
まるで「E.T」のような、奇跡的な、異種間の触れ合い。
彼の強い好奇心と、執念と、愛情があったからこそ撮れた映像なのだろう。
自然と生き物に対する一貫した敬意と、愛情と、謙虚さが伝わってくる。
こんなタコ初めて見た、とビックリする光景が繰り広げられ、彼と同じく、タコの生態、知能、生命力、可愛さに魅せられていく。
同時に、自然界の厳しさも嫌というほど見せつけられる。
けれど生命は受け継がれていく。
彼の生命と想いもまた、息子に受け継がれていく。
そうやって自然は巡っていく。
タコ愛にあふれた異色のドキュメンタリー。
