Inagaquilala

オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.7
アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品。ドキュメンタリーというより、人生に疲れた男とその彼を癒す存在となっていく1匹のタコとの「交流」を描いたドラマのような作品である。男のモノローグを中心に、南アフリカの海でタコと親密な関係を深めていく1年間を描いていく。ドキュメンタリーとはいうものの、これはある程度、事実への「加工」が加わった作品と見るのが妥当だと思う。

とはいえ、この映像作家であり主人公である彼が、自分を癒すタコを「彼女」と呼び、まるで恋人へのラブレターのように綴る物語には、心動かされる。もちろん、事実という裏付けがそれにさらにプレミアを付け加えるわけだが、例えそこに「演出」があったとしても、映像で観るタコの驚異の世界はなかなか興味深い。
Inagaquilala

Inagaquilala