ひでG

オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのひでGのレビュー・感想・評価

4.0
充実のNetflixのドキュメンタリー作品群からチョイス。
紹介文に「感動ドキュメンタリー!」って、タコ🐙の記録でどんなんだろう?と半信半疑で観ましたが、予想を遥かに超える素晴らしいドラマに出逢えてました!
アカデミー長編ドキュメンタリー受賞も納得の出来でした!

動物の生態を長い時間と高感度カメラで描き出す作品は、NHKの「ダーウィンが来た!」「グレートネイチャー」など今までも多く観てきましたが、本作は、それら今までのドキュメンタリーとも一線を画していると思います。
動物記録というより、まさに、ひとりの人物にフォーカスして記録していく人物ドキュメンタリーのようだと思いました。

映像作家のクレイグ・フォスターさんは、仕事に行き詰まり、その癒しとして海に潜り、それをビデオカメラに収めていました。
そして、海の中で「彼女」と出逢います。フォスターさんは劇中のナレーションで一貫してタコを「彼女」と呼んでいます。
この呼び方にフォスターさんと「彼女」のちょうど良い関係性が表れています。

「タコ」や「軟体動物」と呼ばないのは、「彼女」を人格を持った一つの個性としと尊重していることの表れ。
ペットのような名前を付けないのも、人間と同等の関係を示しています。

タコが知能が高いことは知っていましたが、敵から身を守り、捕食する術があんなに多様とは驚きでした。
それは本能にインプットされているだけでなく、その場の状況によってチョイスしているのです!

天敵サメとの攻防は、サスペンス映画のような迫力と知力でした。最大のピンチを防いだあの対処方法には、画面の前で「おっ!やった!!」と声を上げてしまいました!
最近観たアクション映画の中でもトップクラスの迫力とアイディア(タコの!)が冴え渡るシーンでした。

フォスターさんに抱きつく「彼女」を観ていて、もう犬やネコ同様いや、それ以上の可愛さ!

最期の姿には、生命を全うして、終わられた生き物として畏敬を感じずにはいられませんでした。
見事な生き様と死に様です!

単に動物の生態の記録ではありません。
生き物として、立派に生命を完全燃焼することの偉大さ、尊さを僕らに教えてくれました。

ほんとに、本当に感動した今まで観たサイコーの動物ドキュメンタリー映画でした!
(「皇帝ペンギン」と同じくらい、、今思い出しました!)
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