しゅう

シナラのしゅうのレビュー・感想・評価

シナラ(1932年製作の映画)
3.8
ストーリーだけ見るとこの御時世なら共感が得られそうもないラブストーリーだが、絶頂期のキング・ヴィダーの演出が驚異的な完璧さで感心させられる。
主人公ロナルド・コールマンが妻を深く愛しながら、ドリスにも誠実であろうとする心理を静的タッチで淡々と描いているのだが、非常に簡潔な表現なのにこれほど情感を盛れるのかと驚く程で、コールマンの好演が更に演出を引き立てている。
悲劇でありながらラストには清々しい印象さえある。
ケイ・フランシスの気品ある美しさ、フィリス・バリーの感受性の強さの対比も効果的。
しゅう

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