しゅう

シカゴ7裁判のしゅうのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.2
字幕版を鑑賞。

ネトフリ映画をシネコンで上映してくれるイオンシネマに感謝。

アーロン・ソーキン至高の職人芸。

自分の様な、前情報を全く入れていない無知な観客にも、裁判の進行に合わせて事件の詳細や背景となる1968年当時の政治・社会情勢が自然と頭に入ってくる見事な構成。

検察vs被告ではなく、頑迷で権威主義の判事を絶対の悪役として置き、それと対峙する被告人及び代理人たちを重層的に描いて、各々の立場と思想の違いにこそドラマの力点を置いているのも面白い。

特に"シカゴ7"に入らない第8の男、ブラック・パンサー党のボビー・シールが同志を銃殺された後に、「俺たちは(他の被告たちの様に)お気楽な正義感ではなく、より切実な"生存"の為に戦っている」と怒りを込めて訴える場面は、自由と平等を求める人々が容易に連帯出来ない現代の状況にも呼応してみえる。
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