たむ

サン・セバスチャンへ、ようこそのたむのレビュー・感想・評価

3.2
ウディ・アレン監督の4年前の作品が、劇場公開です。
もう欧米で公開されることはないのではないかと思いつつも、新作を撮り続けているウディ・アレン監督。
テーマも内容も集大成のようにすら感じてしまう、人生とは映画で、映画が人生を作るという作品です。
名カメラマンでよく組んでいるヴィットリオ・ストラーロ撮影監督が担当しているのですが、本作では映画史上の名作の数々を引用します。
『市民ケーン』『突然炎のごとく』『第七の封印』(死神を演じているのがあの名優で笑えます)などなど、主人公の夢であり、悪夢となって再現されます。
こんな豪華な引用と再現があるか!というほどのクオリティです。
しかし、引用の質の高さが災いしてか、肝心のドラマの方が、わかる人がわかればいい、という突き放した感覚もあります。
面白おかしく観られるのはウディ・アレン監督のファンだからか、そんな気もしてくる内省的な作品ですね。
たむ

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