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サン・セバスチャンへ、ようこそのtatsuoのレビュー・感想・評価

4.6
ウディ・アレン×ヴィットリオ・ストラーロ。コレは観るしかないと思い立って鑑賞。基本はビスタ、カラーだが、夢や妄想はモノクロになり、様々なアスペクト比に変化する。浮気疑惑のある2人の2sと、主役の単独のようなメインキャスト3人の映し方、車のフロントガラスについた雨粒の輝き、ティール&オレンジのルック、ワーク、カット割、構図、レンズ選定など、畏れ多いがやはりヴィットリオ・ストラーロは超一流だと感じた。特に美しい海を背景にプロめに据えたキャメラが歩く人物に合わせて動くカット。人物はあえてシルエットにして背景をメインに見せ、肝心な話になるとキャメラは正面気味に回り込んで、それと同時に人物の表情が見えるようになるワーク、ライティングは秀悦。コメディ映画の教科書のように思えた。
モノローグ中心に構成されるウディ・アレンらしい作品。イロイロな意見があるが、ワタクシはキャスティングなんかは面白くて良かったと思った。特にウォーレス・ショーンの芝居や雰囲気が今作にとても合っていて好きだし、可愛らしく思えた。やはりウディ・アレン作品が肌に合うなと感じた作品なのでありました。
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