Breminger

サン・セバスチャンへ、ようこそのBremingerのレビュー・感想・評価

2.4
恥ずかしながらウッディ・アレン監督作品は初鑑賞です(レイニーは近くでやってる劇場が無かったので)。

コメディ寄りの不倫ものなんだと思うんですが、どうにも笑える場面は少なく、それでいて主人公のハゲチャビンの妄想と現実を行ったり来たりする作品だったので、なんだかスッキリできずじまいの作品でした。

奥さんの不倫を疑って奥さんの映画の仕事に帯同してきたハゲチャビンの街中での模様を淡々と描く作品なんですが、結局主人公も不倫まがいの事をしようとして、やんわり断られたりするシーンが多いですし、その癖強がったりイキがったり、相手につけ込んだりしたりと、人としての魅力に欠けるなぁと思いました。
奥さんも大概で、早い段階で不倫してるだろというのが分かるのに、それをひた隠しにしようとするもんですから観ていて気持ちのよいものでは無かったです。

申し訳ないことにキャストの方々をほとんど知らず、それでいて華のない人たちだったので、キャスト頼りにもなっていなかったのでビジュアル面で楽しむこともできませんでした。シャツインハゲチャビンの妄想なんて誰が好き好むねんと上映中ずっと思っていました。
かろうじて知っていたクリストフ・ヴァルツは良かったと思います。

過去の名作のオマージュを主人公の妄想と交えながら映像として流していくんですが、申し訳ないことに元ネタがぼんやりとしか分からなかったので、そのシーンをポンポン入れられても何のことやらと思うところが多かったです。
あと他の作品の名前をバンバン出していくのが、巨匠の作る作品としてはなんか縋りついている感じがしてちょっと冷めたり、もういいよって感情がどんどん出ていってしまいました。

離婚が成立した後にライターの方に色々喋って、最後に質問返ししたのに何も返答無くエンドロールに突入したところが一番面白かったです。そりゃ聞き返されてもなとニヤニヤ。

ある程度結婚から時間が経つと、互いへの愛が冷めていくというのは周りを見ていてもあるんだろうなと思うところがありますが、それを映画でやったとして面白くなるのかという答えが出たと思います。面白くはならなかったです。

街並みだったり、オシャレな音楽だったり、監督の手腕ではないところが良かったなと思いました。これまでの作品もこんな感じの作品なら現時点の自分とは合わない気がしてならなかったです。
改めて華のある俳優がいるということの大切さが分かった気がします。
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