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サン・セバスチャンへ、ようこそのKHのレビュー・感想・評価

3.5
サンセバスチャンの街並みがオシャレ過ぎるし、映画全体の色味が鮮やかで美しかった。
所々、劇場に笑いが起きてて良かった。素直になれない主人公を取り巻く人々とのやり取りに、終始にやにやしてしまった。
てか、アメリカの映画界から追放され監督ウディ・アレンの作品の主人公が、アメリカのハリウッドを明らかに否定して、ヨーロッパのクラシック映画を意地になって褒め続けるてるのが笑えた。
主人公が好きになれないのは確かにわかるけど、痛いほど共感もできた。
理屈ばっかり言って一向に完成しない小説も、自分は書き手じゃなくて単なる読者に過ぎないという戸惑いも。
多分主人公は自分が周りからどう思われているのかを、しっかり客観視出来てる(空想シーンから明らか)けど、それでも偏屈な態度を取らないと自分を守れないのが切ない。
クラシック映画の名シーンに入り込んでいる主人公は、それらに縛られて閉じ込められているのか。
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