Yoshihiro

サン・セバスチャンへ、ようこそのYoshihiroのレビュー・感想・評価

3.0
ニューヨーカーでヨーロッパの古典映画を尊敬し人生初の小説執筆に行き詰まってるモートは映画の宣伝をしている妻のスーに同行しサンセバスチャン映画祭に来ていた。しかし映画祭で出会う人たちは興行収入や流行りのフランス人若手監督のフィリップの話題中心で面白くない。しまいにスーとフィリップは仲が良さそうで、モートは散歩しているとモノクロ映画の世界に入り込んだりモノクロ映画の夢を見るようになったり心臓が痛くなってきた。そんななか紹介された医師のジョーは美しい女性でニューヨークに留学経験がありパリに住んでた頃はシネマテークに通っていたと、モートはすっかり心惹かれてしまい手に発疹ができただの耳鳴りがするだのと理由をつけて会う口実をつくってはみっともないアプローチをするのであった。

主人公のモートをはじめ主な登場人物全員がどうしようもないほどだらしない。しかし完璧な人間よりもそういう欠点を持った人々のほうが人間らしくて私は好きだ。仕事をバリバリこなしても酒に酔ってソファで寝たい日もあるし、妻帯者でもステキな異性に惹かれてロマンスを夢見たっていいじゃないか。そんなどうしようもない人間のだらしなさを肯定してくれてる作品だった。
肝心のストーリーは盛り上がりに欠けおもしろくなかった…。
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