うみぼうず

シャドウ・イン・クラウドのうみぼうずのレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.5
クロエのハスキーな叫び声・雄叫びが癖になる。あと音楽がいいね、不穏さと爽快さを両立させるようなベース音とシンセサイザー?で高揚する。

いい意味でも悪い意味でも予想以上で、ちょうど良いB級映画。まずいい意味では舞台設定がおもしろい。半分以上は飛行機の銃座という密閉空間で主人公のギャレットしか映らない。他の乗員とは無線だけの会話、しかもありがちな下劣な内容で、空間的にも心理的にも孤立が表されていて新鮮。
それもこの作品の主メッセージありきで一貫性があるので観ているうちに理解が深まる。エンドロールは最たるもの。

でも、実は「理解」というのもテーマにあるのかなと思う。最初とても差別していたタガートが放った言葉に、そして機長やウィルソンが言ったセリフはギャレットの事情を知ったからこそ。男はお調子者だし弱いし逃げるのよね。(自分への戒め含む。。。)

あとは肉片やら血溜まりやらがアップになるけど、死の現場死に直面して死を意識したということ…?ラストのギャレットの視線も意味ありげで良い。「勝ち取った」という誇りなのか、「貴女たちも戦いな」なのか...。

そんな理由で乗ったのかよとかあの荷物の耐久性すごいなとかちょこちょこツッコミたくはなるが、エンタメ性もメッセージ性もあって面白かった。
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