いま気が付いた。ソウル地下鉄車が採用した握り棒のカーブはダンスシーンの助けになっている。
結構なのはそこまで。彼女のスマホからは彼女の一人ダンスにあっけにとられた乗客の目を丸くする様子が写っていたはずである。当然、依頼人はそれを見ている。
人生の転機かもしれない一分であったはず。その花道20mの空想ダンスと現実のギャップが観衆の空想に委ねられたのは何とももったいない。こころしてver.2の再投稿を願う。もちろん超短編で。
しかし、ものは考えよう。乗客たちがただ目を丸くしていたのか、突然リズムを取り始め踊りだす彼女から手を差し伸べられ思わず体が反応する人、ターンを合わせる人、彼女の顔の急接近にのけぞる人、なんなら、踊りの輪が一つ二つ追加されてもいいだろう。少なくとも韓国人のほうが日本人よりよほど面白い反応を見せそうだ。
これにビビった依頼人がいったん逃げても論より映像。彼女の即興芸はいつか身を助けるかもしれないが、運輸当局は地下鉄の握り棒を「改良」してしまう?