正しい家族のかたちも、人生も、人は選べない。
病のため余命わずかのシングルファザージョンが、一人息子のマイケルの里親を探す。里親候補の家族と会う中で「どの選択が息子にとって最善か」に悩むジョン。
本来、里親制度には元の親が里親を選ぶ手順はなく、極めて異例の対応。この方法が2人にとって良いのかすら分からないが、死や家族について考える考えるきっかけになったとは思う。お金持ち、大家族、夫婦愛、シングルファザー、、 家庭にはそれぞれ特徴があり、世間の目は家庭を表面的なカテゴリーで評価する。しかし、その家庭の良し悪しなんて誰もわからない。ある子供には最高の家庭になり得えても、他者にとっては生きにくいかもしれない。ジョンは様々な家庭を見る中で「何が正しいのか分からない」と困難に陥る。
ただ、子供のことを一番分かっているのは親であることに間違いはなく、これまで培われた関係性は揺るがない。うさぎよりも犬が好きであること、電車よりもトラックが好きであること、カラーのシリアルよりチョコレート味が好きであること、赤が好きであること、、 それは誰よりも一番ジョンが理解しているのである。一方で、これから先マイケルが関係を築くであろう里親とも関係性が育まれることは、トラックに石を積む思考に至ったマイケルを見て分かるであろう。マイケルの人生はこれから先長い。やはり、正解などないのである。
ジョンの表情の変化が素敵。遠くを見つめ微笑む場面が多く、子を思う気持ちが表現されている。マイケルも愛嬌があり可愛い。
