あまりにも切ないプロット… と言っても、これが前作『おみおくりの作法 』と同じく、実話を元にした作品なのだとか。
何組かの養子縁組の候補となる夫婦と会って、我が子を託す親を決めるとき、なぜ最も不器用そうで、頼りなさげで、不完全そうに見える親を選んだのか。
それは父親のジョン自身が、親というものも子ども同様、少しずつ成長していって、本当の意味で子どもとの「家族」という絆を育てていくものだと気づいたからではないだろうか。
ラストのシーンで、ジョンが息子マイケルに優しい眼差しを送りながら、自分の中で選んだことを信じ、マイケルは幼いながらもその覚悟をそっと受けとったような表情で父親を見つめる。
冒頭、切なすぎるストーリーと書いたが、この物語の後、新しい家族となった母と子が、とても幸せに暮らしていることを信じてやまない。