つれづれなるレビュアー

いつかの君にもわかることのつれづれなるレビュアーのネタバレレビュー・内容・結末

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

パゾリーニ監督の作品は初めて拝見しました。
結果としては、とても良かったです。
注:自分が父と離別、死別しているというフィルターがかかっています。

ネタバレが予告編でされていますが、以下ネタバレ注意です。







作品としては、とてもシンプルな物語。
末期ガンの父親が我が子を託す相手を探す、そして日々を精一杯生きる。

まず、数は少ないものの、見ていてわかるほどガリガリに痩せていく父親。
それが痛々しいけども、弱音を吐くことなく、考え、行動する。
映画中の「当たり前のこと」は、彼が本当に頑張っているんだ!、という中盤の描写や、ムカついたやつの窓にたまごを投げるシーン(笑)はイギリスっぽくて好きでした。

2つ目に、マイケルくん役の子の演技と、それを出す監督の力量。

日本でも是枝監督の子役の使い方がとても上手いと思いますが、パゾリーニ監督も子役の力量をもっともっと引き立てている。
映画の中の親子なのに、本当の親子にもみえてしまう父と子のシーンの数々は本当に素晴らしかった。

最後に、最初のシーンの伏線を回収が気持ちいい!
最後のシーンでは、お父さんを先導するようにグングン歩いていくマイケルくん。
結婚も、子供もいませんが、思わず「お前なら大丈夫だよ!」と言いたくなった、そんなラスト五分は圧巻でした!