葛西ロボ

わたしの人生(みち) 我が命のタンゴの葛西ロボのレビュー・感想・評価

3.0
 和田秀樹という人の本は書店で見かけることはあっても読んだことはなくて、監督二作目となるこの映画を見るかぎりでは、なんというか、真面目な人なんだと思います。
 認知症の発覚から周囲の対応、苦悩、そして順応までをビデオ教材のように示唆するかたわら、そこに映画としてのエッセンスも忘れないで家庭と施設を舞台にドラマを見せてくれる。けど、根本的に話の進め方がなってないというか、もうちょっと技術のある人たちが支えてくれていたらなあ……。
 きれいなものを盗んでしまう松原智恵子さんが本当にキュート。
 どこの家庭に降りかかってもおかしくない困難を抱え込まずに、社会や福祉と協力しながら、老人を閉じ込めたりするのではなく、一緒にステップを合わせることが大切だということを訴える善良な作品。