脳に悪性腫瘍、上衣芽種の診断を受け
10回もの手術、20回もの放射線治療を行うも家族の祈りは届かずこの世を去った2歳のアイちゃん
家族は医学の進歩がいつかアイを蘇らせてくれると信じて
アイの身体を冷凍保存する事に決めた。
家族が悩んだ末に
その方法が一番最善だと思えたのなら
他者がとやかく言う事では無いと思う。
他者が間違いだと非難しても、彼らにとってはきっと正解に最も近い答えなんだろう。
ただ、もし
50年先か、はたまた100年先か
遠い未来に医学の発展を経てアイが蘇ったとして
家族が未来に蘇るであろうアイを想い残した映像、物品を見て
アイはそれを幸せだと、思ってくれるのだろうか。
遠い過去に死んでしまった家族の楽しそうな過去の映像を観て、一人で生きていく現実を見たとき
アイは笑って自分の人生を過ごせるんだろうか。
ラストに第3子アイアイちゃんを授かったお母さんが「アイの生まれ変わりかもしれない」と発言していて
未来に託したアイの身体には何が残っているのだろうと思った。
非難するつもりは無いし
家族が冷凍保存を決断するまでの毎日は壮絶だったと思う。
大切な娘を未来に託したいと。ただそれだけを願って
0.1%でも未来に生きる希望があるなら、と。
だけど、なんだか腑に落ちない。
たった一時間半の映像でしかこの家族を見ていないので解らないけど
お父さんのエゴと自己満足に家族が巻き込まれてるように見えた。
よく映画やドラマ、漫画なんかでも
死にゆく人を見て「残された私達はどうすれば」なんてセリフがあるけれど
未来に託されたアイは
ある意味で取り残されてしまうように感じました。
でも、
大切な人が目の前で死んでしまう様子を見て
諦めきれない気持ちも、生き延びて欲しい気持ちも、助けたい気持ちも
もう一度笑ってほしいと思う気持ちも
痛いほど解る。
解るからこそ、難しい。
とても、難しい。