悪魔の毒々クチビル

ボルケーノ・パークの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ボルケーノ・パーク(2019年製作の映画)
3.7
「君は永遠の幸運を手に入れた!」

火山のある島にリゾート地を建設したら、案の定噴火したお話。


アルバトロス配給ってことで、何時ものヘッポコディザスターかと思いきや監督がサイモン・ウエストなのもあってか、地味にまともなCGなのがまず衝撃でした。
あくまでこの手のアルバトロス映画としてはってだけで、今話題のエメリッヒの新作がこのレベルのCGだったら普通にぶちギレ案件なんだけどね。でも個人的には許容範囲内です。

母親を昔噴火で亡くした主人公と娘と疎遠になってしまった父親、物語を通して二人の関係の修復なんかも描かれますがペラい映像じゃなかったお陰で割とエモく映りました。流石に泣きはしなかったけど。

そして思っていた以上にエキストラも多く、噴火によってポンポン死人が出てちゃんと大規模ディザスターパニックしようと試みていた所も評価したいです。
モノレール間の乗り移りとか絶対出来ないだろと思っていましたが、9割方成功していましたね。
序盤でうっかりミスにより主人公を殺しかけた同僚のドジっ子青年だけ見事に失敗したけど、ミスを根に持っているのか主人公含め皆「あっ…」くらいのリアクションだったのちょっと笑いそうになった。

キャラもベタな面々が勢揃いで、あのドローン使ってサポート役に徹していた機械オタク君が地味に好き。
彼女に水中デートでプロポーズしたイケメン君の乳首がはだけるサービスショットもあるよ。
あとパークのオーナーはこういう作品でお馴染みの、主人公の「パークを閉鎖した方が良い」警告をガン無視しちゃってあたふたするタイプでしたが、途中で子どもを助けに行く一面も。
凄く感動的なシーンの筈ですが、幸運の時計をその子どもに授けたあとのフラグ回収が信じられないくらい早くてギャグかと思ってしまいました。
んで配役がまさかのジェイソン・アイザックス。パパマルフォイ!パパフォイ!!

何気にヒューマンドラマはしっかり導入してきていたんだけど、その割に溶岩の流れを止める為にダムを解放する方法がハチャメチャなのを始めぶっ飛びディザスター要素も満載だったので見事にアンバランスな仕上がりでした。でも子役が意外と上手かったんだな。
あと主人公が開発した技術によって突破口を開くパパ、というラストの展開は結構好きです。

そもそもいくら人はスリルを求めているからって、火山の側にリゾートホテル建てるかね。
俺なら絶対行きたくないんだけど、みんな案外興味あるもんなの?

期待値下げまくっていたとは言え、これは中々楽しめましたよ。
やっぱりディザスター映画はエキストラ多めが良いよね。
因みにラストでメイキング映像入りで主題歌(?)のMVが流れますが、バラードとは言えツインギターとは思えないレベルでギターの存在が薄かった事しか印象に残っていません。