かずシネマ

夏日春風のかずシネマのレビュー・感想・評価

夏日春風(2020年製作の映画)
3.1
あの父ちゃんすげー怖いんだけど…。
作中で何かやらかす訳じゃないけど、すぐにでもやらかしそうな雰囲気と掴めない行動。何を考えてんのか分からない。
急に現れた様に、また急に居なくなりそうで。
というか、本当に父ちゃんなのか?入れ替わったりしてない?

淡々としている。作りは日常系。
英題の「青春の川」と内容を合わせて察するに言いたい事はなんとなく分かるんだが、作品の描写のみでは言いたい事は正確には伝わらなかったと思う。閉塞感は分かる。
主人公の男の子の鬱屈した中での少しの夢、それすら崩れそうな悲惨な気持ちとか、兄ちゃんの微妙な動き(オチへの伏線)とかよりも、両親のまずさの方が際立ってしまっていたと思う。
女の子はあくまで脇なのであれでいいと思う。
もうちょい「主人公からの憧れ」要素を入れても良かったかもしれないけど。その方が観てる方もショックだろうしw

でも、粗さはあるが、演出と画、余白のある間のとり方に光るものをひしひしと感じた。
特に作品の入りの部分、あの細かく刻む演出が好き。
あ、鶏が血を流してるシーンはちょっと…個人的にはかなり苦手なのでやめてほしかった。
(バイトだけでなく、主人公が鶏肉苦手な理由の駄目押しにはなった気がする。)
景色の切り取り方も良かったと思う。
沢山撮ったらそれがより洗練されそう。
もっと日常系撮ってみてほしい。

「夏日春風」っていいタイトルやな。
「夏なのに春の様な風が吹く違和感」ともとれるし、「夏だけど爽やかな(若しくは強い)春の風が吹いた様なある種の青春」ともとれる。

あと、煎餅食べてる音がいい音だったw

兄弟の部屋に貼られていた映画のポスターやポストカード。
ミッドナイトインパリ、天使の涙、アメリ、シカゴ、フルメタルジャケット、時計じかけのオレンジ。その他。


東京学生映画祭作品。
かずシネマ

かずシネマ