崔洋一追悼上映で初見。掘り出し物!
「沖縄の豚小屋で生まれた青年が、
豚に襲われ魂(マブイ)を落とした女とその友達と、
女三人男一人で厄落としに故郷の島へ向かう」
という、あってないような推進力の弱い物語なのに、
映像の力が強すぎて何も起きていない場面も観ていられる。
原作は芥川賞受賞の同名小説。
沖縄の、猛暑と豪雨が交互に訪れる目まぐるしい気候、
湿度が画面に充満している。
簡単に性に転びそうになるが、一方で意外と
旅の目的をうっすらと守る主人公の動機もわかりやすい。
「食べきれないだろ!」という量の食事を卓上に広げるシーンは崔洋一映画全てにあるのかな?原作にもある。崔洋一監督にピッタリの原作だ。
今回はそこに腹下しのエピソード(長くてしつこくてくだらない!)が
加わって、暴力が少ない分崔映画の俗のバランスを取ってる感じだ。
スナックに豚が侵入するシーンが最高に面白い。
沖縄の陽射しを避ける装備が女三人で
日傘、帽子、タオルとバラバラでキャラが立ってる。
若き日の小澤征悦が東出昌大に顔も雰囲気もよく似てる。早坂好恵が出た映画たった2本のうちの1本がこれだと知って爆笑した。