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ドラゴンボール 神龍の伝説のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.3
前回の『最強への道』は、現代とその先の物語に合わせてキレイに整えつつ、まとめ上げた印象。

こっちは本家の86年に作られたGTでもZでもない『ドラゴンボール』の走りの映画。

これは、昔のままのブルマが昔のままの孫くんに昔のままの山奥で出会う。
孫くんが持つドラゴンボールが欲しいからパンティ見せちゃう方のやつ。

そんなこんなで旅に巻き込まれて、、、で、ここから原作コミックと変わる。

スゴい高価な宝石が発掘できる村が“グルメス”なる魔物に苦しめられている、と。

“グルメス”、懐かしい。幼い頃にこれ見たことある気がする。名前は覚えてる。でも、こいつがなんだったか、全く覚えてなかった。

“グルメス”は食いしん坊、食べてないと絶えず苦しむ。しかも美味しいものを食べたい、と。

だから、高価な宝石を村人に働かせて発掘させて、金持ちになって軍隊揃えて世界征服、レッドリボン軍的な思惑、ではなく、それで美味いものを手に入れて食べたい、となる。

これぞ、元祖ドラゴンボールという感じ。
力、力、力、ではなく、小さな個人の欲望を叶えるためにたくさんの人が巻き込まれ、苦しむ。

ブルマもドラゴンボールを探す目的が「素敵な恋人」だし、ヤムチャも「女の前で上がらないようにする」だし、みんな超個人的。
神龍も呼び起こされてはた迷惑な願いばかり。

それが、ドラゴンボールの始まり。
それがまさか、Zになり、GTになり、超になり、神だの、ナメック星だの、界王だの、スーパサイヤ人3だの、になろうとは。

まさに摩訶不思議な物語の最初がこれ。
すごく昔懐かしい気分になれる。

この世はデッカい宝島、そうさ、今こそ、アドベンチャー。

グルメスも最後はカメハメ波で木っ端微塵になるかと思いきや、その怪物的な姿から元に戻る展開で、やっぱりここも優しい。

ものすごくおどろおどろしいビジュアルではあるが、優しさと笑いと若干のエロさの方が色濃く出る本作。

“パフパフ”と聞いて条件反射的にいまだにドキドキしてしまうのは、この頃のドラゴンボールのせいに他ならない。
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