前回の『最強への道』は、現代とその先の物語に合わせてキレイに整えつつ、まとめ上げた印象。
こっちは本家の86年に作られたGTでもZでもない『ドラゴンボール』の走りの映画。
これは、昔のままのブルマが昔のままの孫くんに昔のままの山奥で出会う。
孫くんが持つドラゴンボールが欲しいからパンティ見せちゃう方のやつ。
そんなこんなで旅に巻き込まれて、、、で、ここから原作コミックと変わる。
スゴい高価な宝石が発掘できる村が“グルメス”なる魔物に苦しめられている、と。
“グルメス”、懐かしい。幼い頃にこれ見たことある気がする。名前は覚えてる。でも、こいつがなんだったか、全く覚えてなかった。
“グルメス”は食いしん坊、食べてないと絶えず苦しむ。しかも美味しいものを食べたい、と。
だから、高価な宝石を村人に働かせて発掘させて、金持ちになって軍隊揃えて世界征服、レッドリボン軍的な思惑、ではなく、それで美味いものを手に入れて食べたい、となる。
これぞ、元祖ドラゴンボールという感じ。
力、力、力、ではなく、小さな個人の欲望を叶えるためにたくさんの人が巻き込まれ、苦しむ。
ブルマもドラゴンボールを探す目的が「素敵な恋人」だし、ヤムチャも「女の前で上がらないようにする」だし、みんな超個人的。
神龍も呼び起こされてはた迷惑な願いばかり。
それが、ドラゴンボールの始まり。
それがまさか、Zになり、GTになり、超になり、神だの、ナメック星だの、界王だの、スーパサイヤ人3だの、になろうとは。
まさに摩訶不思議な物語の最初がこれ。
すごく昔懐かしい気分になれる。
この世はデッカい宝島、そうさ、今こそ、アドベンチャー。
グルメスも最後はカメハメ波で木っ端微塵になるかと思いきや、その怪物的な姿から元に戻る展開で、やっぱりここも優しい。
ものすごくおどろおどろしいビジュアルではあるが、優しさと笑いと若干のエロさの方が色濃く出る本作。
“パフパフ”と聞いて条件反射的にいまだにドキドキしてしまうのは、この頃のドラゴンボールのせいに他ならない。