けーすけ

サマーフィルムにのってのけーすけのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
3.5
高校生の“ハダシ”は映画部に所属していたが、周りが撮影しているのはキラキラ恋愛もの。時代劇が大好きなハダシはいつか自分の映画を撮りたいと思っていた。そんなある日、ハダシの書いた脚本映画『武士の青春』の主人公にぴったりな青年・凛太郎がハダシの目の前に現れた。「もう彼で映画を撮るしかない!」と決めたハダシは友達を巻き込み映画撮影を始める・・・







学園×青春×恋愛×友情×ファンタジー×SFもの!時代劇はラブストーリー!!(詰め込みすぎぃ)
高校生の頃の「何をやっても楽しい」という無敵感を思い出させてくれた。

オフィシャルのあらすじがけっこう大事な設定に触れていて、観れば序盤で読めるだろうし全然ネタバレではないのだろうけど、何も知らずに観た方が楽しめそうな気がします。



主人公の「ハダシ」っていうあだ名もインパクトあるけど、その友達も「ビート板」に「ブルーハワイ」というあだ名がなんとも面白い(ただ、劇中でその意味には触れないので少しモヤモヤ。単純に夏っぽい感じでつけたらしい)。

そんな彼女たちは秘密基地としている河川敷の廃車を改造した部屋で「座頭市」のビデオを観て勝新太郎の魅力を語り合うという。ああ、なんて熱い青春なんだ…。(しかしその車でハダシが暮らしてるのか?とか電気どうやってるんだ?と余計な事が気になってしまった)



ハダシたちが映画撮影仲間を学校内から集めるくだりも非常にユルくて、集まる面々も個性的。一番笑えたのが出演者の一人としてスカウト(拉致)された同級生の「ダディボーイ」。演じたのが板橋駿谷なのですが、なんと37歳!でも何気に老け顔の高校生役としてはアリでした。笑


ハダシがこだわり抜いて撮影する映画作りも難航したりする中、「映画部が作る作品をぶっ潰す」とライバル視していた映画部との共闘もあり、青春が迸りまくりでキュンキュン(死語)。



で、ネタバレしないように語るのが非常に表現が難しいのですが、本作では映画の将来に関わるとても重要な話が混ぜてあり、それが劇中にも観ている側にも(感情的に)大きな影響を与えているという部分。
それがハダシの作る映画の結末にも大きな影響を与える内容というのが、とても熱くて心にグサグサきて良かった…。


都合いい感じな部分は多々ありますが、そこはファンタジーと割り切って、夏にぴったりな爽やか映画かと思います。


2021/07/28(水) オンライン試写で鑑賞。
[2021-064]
けーすけ

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