"みんなが見てるよ！"
映画評論家、アート・ディレクターとして活躍する高橋ヨシキによる初長編監督作品。
激怒すると暴力が止まらない中年刑事の深間。刑事としての腕は確かだが、暴力による度重なる不祥事の責任を問われ、治療のためアメリカの医療機関へと送られることになる。数年後、日本に帰ってきた深間だが、一見平和のように見える街の雰囲気に違和感を覚える…。
安心とはなにか？安全とはなにか？
日常的に感じる社会への違和感を代弁したといえる本作。
しかし、作品的には暴力警官ものといったジャンル映画なので、かなりクセが強く万人ウケはしない(そもそも万人ウケは狙ってないだろうが…)。
ただ、社会風刺的なメッセージや、B級バイオレンス物がやりたいんだろうという作り手の意図はヒシヒシと伝わった。
残念ながら予算的に厳しかったのか、かなりチープなところも目立つのは確か。
そして、やはり映画評論家が映画を作る難しさを感じた。よっぽど傑作じゃない限り、色々言われちゃうだろうなとは思う。
個人的に高橋ヨシキは好きな評論家ではあるので、少なからずバイアスはかかってしまうが、扱っているテーマの割には思ったより無難な作りだったという印象。
