このレビューはネタバレを含みます
劇場2021-60 TC川崎
個人的には、すごく久しぶりにシャマランの作品を観る。例の三部作はタイミング外してまだ観ていないし、『ヴィジット』以来か。脚本までも担当したのは他には『エアベンダー』のみとのこと。
本作の予告編も何度観たことだろう。もはや半分以上わかった気になり鑑賞したが、あに図らんや実際観てみたらその展開にぐいぐい引き込まれる。さすがシャマラン!
オープニング直後からホテル到着まで、全く無駄のなく、それでいて不足がない状況説明からのストーリー展開。この家族の置かれた状況を極めて自然にオーディエンスに知らせるところ、さすがシャマラン!
そして実際の舞台は「閉ざされたシチュエーション」ながらも、開放的な空間。この矛盾感が登場人物のみならず、観るものの感覚を狂わせる。その根底に時間の流れが違うという事を空間と組み合わせた、これぞシチュエーションスリラー!さすがシャマラン!
そしてそこへ誘うホテルの支配人らしき男のなんとも言えぬ胡散臭さ!あっ、こいつヤバいっていう事をわからせ伏線とするところ、さすがシャマラン!
時の流れという誰も抗えない絶対的な事に、加速がつくという恐怖、私は初めて観た。しかも老化のバリエーションを目、耳、髪の後退、シワ、関節痛?、アルツハイマーらしき症状、そして子供の成長さえも恐怖の対象として徐々に、徐々に加える事も恐怖を嫌がおうにも募らせる。さすがシャマラン!
ラストも抑制的な表現を多用しつつ、ことの本質までひっくり返す勢いの展開。謎が解き明かされるカタルシス。さすがシャマラン!
さすがシャマラン!が随所随時に出てきて心底感動!そもそも冒頭の挨拶上映までが感動!いつも騙してくれてありがとう。