yksijoki

オールドのyksijokiのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
4.0
思ってる倍グロいので要注意だけど、思ってた倍深い話だったし、展開もめちゃ面白かった。本当にプロットがめちゃくちゃ良く出来てて緊張感も最後まで継続されててとても良かった。リアル感も含めて途中結構うわ。。ってぐらいの気持ち悪さというか胸くそ悪さみたいなものを植え付けられていくのも含めて本当に楽しかった。

設定の妙が素晴らしいのと老いてく過程も含めて見えていく中で、その中でどう対処するかという幅の広げ方とは少し違う展開を見せていくところが流石という感じがした。

人間性の狭間みたいなところも含めてこういうところに着眼した上でエンターテイメントスリラーとして仕上げてくるシャマランまじすごいわって思うし、驚かされるポイントが毎回違うのも含めて本当にスリラーが好きなんだろうなこの人はと思った。

あんまりそれぞれの人間たちの感情を描ききらないでいるところもかえって良さになってて、こちらも島の外から実験を見つめている感覚になる。それぞれの登場人物たちのキャラクターを掴むためのあるゲームと、食事という一堂に会する場での交流のシークエンスもよかった。各々のキャラクターを短い時間で表現しきっていたと思う。

終盤「これどう畳むの?」って心配になったけど杞憂。

老いには抗えないというところと、あとはこのコロナ禍においてこのテーマでこの映画を撮ってるという部分での深みというか面白みが出ていたと思う。

ある種よくある無人島サバイバルモノにも近いし、各人が欲望や思惑に溢れながら生きるためにどういう選択をしていくかという流れもけっこう使い古されてはいる中でそこを補って余りある脚本の素晴らしさがあったと思う。

いくつか本当に目を覆いたくなるシーンはあって、そこもリアルだから無理というよりシチュエーションと痛々しさとで無理という感じだった。

段々と増していく不快感とゾワゾワした感情がいいスリラーを見ているという感覚そのものでめちゃくちゃテンション上がった。風呂敷広げきったあとやや停滞はしつつも最後畳みに行くとこでまたグググッとテンションが上がるというか体温が上がる感覚を覚えてとても良かった。

結末は確かに賛否ありそうだけど私としては全然気にならないぐらいそこまでのプロットがよかったです!という感じ。キャスト陣も良かった。複数キャストの中で老いることで見分けがつかなくなる可能性が一番難しいところの中で絶妙なバランスだったと思うしうまく塊で描くことでそこを混同させないようにしていた。


キャスト ★★★★ 3.9/5.0
ストーリー ★★★★ 4.0/5.0
演出 ★★★★ 3.8/5.0
映像 ★★★★ 3.7/5.0
音楽 ★★★★ 3.6/5.0
プロット ★★★★ 4.1/5.0
バイブス ★★★★ 4.1/5.0
全体 ★★★ 4.0/5.0
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