うどん

オールドのうどんのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
3.5
昨年気になっていた作品をようやく鑑賞!

散りばめられた伏線、その回収はさすがだと思うが、期待以上とはならず。
「年をとる」ことについてちょっと考えちゃう。

予告編からして「ビーチであっという間に年をとる」というのは知っていたが、そこに行きつくまでの家族の事情やホテルでの出来事の描写から、すでに伏線たくさん。ビーチでの謎が次第に解明されていき、伏線回収した上で全て解決する様は、見応えあった。ホラーよりもサスペンスとして楽しめたし、シャマラン作品ならではの得体の知れない・何かが引っかかるゾクゾク感を久しぶりに味わえたなあ。
世界観やビーチの映像美は好きだけど、ストーリーの細かいところにツッコミたくなる箇所が多くて、そこが残念ポイント。

以下、内容に詳しく触れてます。

個人的には「年をとる」怖さを感じてしまったことが一番印象的。子供の成長スピードが早くて精神面が追いつかないところ、大人の増えていくシワや身体・聴覚・視覚の衰え、といったことがスピード感をもって描かれていたので、思わず恐怖を感じた。加齢による身体的変化は通常の時の流れなら当たり前のことなのに、心の構えなしに突然訪れると、こうも怖いものなのかと考えてしまった。目に見える身体的変化だけでなく、精神面にも変化があることには驚いたが、年をとることで攻撃性が少なくなり穏やかになる様にはなるほど…。作品の冒頭で激しくケンカしていた両親が、最期には静かに穏やかに過ごして亡くなる、この対比には考えちゃうな。

「年をとる」こと自体は当然のことだけど、それを自分が受け入れられるかどうか、精神的にも成長・成熟できるか、といった「目で見えない変化」も重要なんじゃないかと考えてしまう、そんな作品だった。
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