CANACO

オールドのCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

オールド(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「こないだ会ったときはこーんなに小さかったのにね!」って、子どもの頃、何年かぶりに会う親戚に度々言われてたけど、まさかそれが発想のきっかけじゃないよねと、ラストシーンを観て思う。

原作はフランスのグラフィックノベル『Sandcastle』。シャマランワールドとよくマッチした内容で、飽きずに最後まで観られた。「ジョジョ・ラビット」のトーマシン・マッケンジーが出ていたのもうれしかった。

本作も家族愛が本筋にしっかり組み込まれていて、そこは裏切らない。ファンタジーじゃないんだけど風刺の利いた大人の童話のような。理系じゃなくても突っ込みどころは満載なのだが、許せるくらい展開が面白い。

孤立した空間、ひとりの死によって「CUBE」や「バトルロワイヤル」のように疑心暗鬼になるシチュエーション。ここまではあるあるだけど、殺されたわけでもないのにバタバタ人が死に、結局、摩訶不思議現象のせいで何もしなくても老衰で死ぬことがわかるという不条理さが独特。

リゾートホテルの裏側が明かされた時、あ、この作品はちょっと「ミスター・ガラス」に似てたなと思った。国のためという建前で異常な行動をとる組織がいました〜っていう。

病との共存もシャマラン監督が関心のあるテーマなのかな? 低カルシウム血症のクリスタルはあんな死に方させなくてもよかったのにね。一番こわかったし可哀想……。

友達がいない男の子といい警察といい、伏線回収もあって楽しめた。あえてマイナスつけるなら監督が出すぎ。今回はどこで出てくるのかな?って観る前は楽しみにしてたけど、次回はもういいですと思っちゃいました。
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