ゆず塩

オールドのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

オールド(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ:旅行中の4人家族が、30分で1年経過するビーチに来てしまい、そこから脱出しようとする話】

あらすじが一言で言えるのが良いですよね。
この条件で、どうスリラーになるのかと考えてから見るのもまた一興。
人物配置など、設定が見事でした。

細かい病気の設定とかは、あまり気にしなかったです。
突き詰めてくとおかしかったりするのかな?

【テーマ:儚い人生、その儚さの尊さ。人生賛歌】
テーマとして受け取ったのは、こんな所。
この設定で、こんなものを受け取るとは思わなかった……。
いや、よく考えたらこれしかないのだけど!

個人的には、ビーチ内の争いでせっかく生き残ったのに数時間後には寿命で息絶えるのが、たまらなく「人生って何なんだろう?」って思わせられた。
遠い神の視点から見たら、一人の人生なんて線香花火のきらめきのようなものなのでしょうね。
私からは安っぽい言葉しか出ないけれど、映像にすればこう見えるのかっ!……と。

主人公の両親は、死を受け入れた、寿命を受け入れた、ということなのかな。
安らかで、平穏で。悲しいが、美しい。
説教臭さもなく、表現として、良かったです。

【その他】
謎解き要素もしっかりあって、見終わった後もちょっとすっきり。
主人公たちが只の被害者なのが可哀想だけれど。

あと、トーマシン・マッケンジーさんが普通に好きなので、出演してて良い(超個人的)。
濃いキャラクター性はそんなにないし、見せ場もあまりあったように感じないから、演技がどうとかはないけれど。
今後の活躍を期待してます。

設定が濃い代わりに、登場人物は結構普通な人々ですよね。
その分、感情の移り変わりがしっかりしてて。
人間ドラマとして良かった。

全体的にすごく満足だけど、ちょっと物足りなく感じたのはなんでだろ?
ヒーロー映画みたいに、主人公たちに「がんばれー!」ってならないからかな。
または、「めっちゃその気持ちわかるー」ってならないからか。
十分満足でしたけれども。はい。
ゆず塩

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