デッカード

オールドのデッカードのレビュー・感想・評価

オールド(2021年製作の映画)
2.0
楽園のようなプライベートビーチ。
しかし、そこは生物の成長を極端に早め人間の一生が1日で終わってしまう怪異現象が起こる場所だった。

人間は誰もが潜在的に「老いる」ことへの恐怖感を持っている。
その恐怖感を明らかにし観る者を恐怖におとしいれる。
自分の老いを突きつけられて怖かった。

ビーチに連れ込まれた人々は成長が早まり、あっという間に子どもは大人に、大人は老化していく。
老化への恐怖と精神の破綻、疑心暗鬼が渦巻く。
一方で激情に突き動かされていた若い日にはなかった安らぎを感じる描写も。

現象の謎解きや陰謀も明らかになるのだが、これといった驚くような展開や感情の高ぶりはなく淡々と終わった印象。
が、単純に「老いること」への恐れのみで観客を恐怖におとしいれるのはそれはそれでいさぎよいかも。実際、自分は身につまされて恐怖を感じた。

登場人物たちが老化に抗い脱出を試みる姿が延々と描かれるが、内容が今ひとつ単調で少し長すぎたかな。
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