澄

ヘルムート・ニュートンと12人の女たちの澄のレビュー・感想・評価

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一流のファッション業界に認められながらも
その作品は挑発的なものが多く
物議を醸した写真家
ヘルムート・ニュートンのドキュメンタリー。

写真を見てどう感じるかは
個々人に委ねることとして
この映像を見る限り彼は
作品を高めるために、女性モデルの体という
力を注ぎ込んだだけで
そこにそれ以上のメッセージを
持たせていないように見える。

岡本太郎は「不快さを感じる絵の前では、
人は時間をかけてその絵を見ようとするが、
綺麗な絵はすぐに人が立ち去ってしまう。」
みたいな言葉を残してた。

これにはニュートンが言ってた
「ひどい写真は記憶に残るが、
いい写真を撮るための努力を
覚えてる者はいない。」
っていう言葉に、少しだけ近い哲学を感じた。

ユダヤ系で迫害の経験がありながらも
写真の表現に、ナチスの世界観が
大きく影響してるところが、興味深かった。

食べかけみたいなチキンの塊と
百万ドルの宝石をつけた手を並べた写真が
かっこよかった。
澄