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アンダードッグ 後編のバナバナのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)
4.2
宮木とのエキシビションマッチで、プロとして見苦しい試合を見せてしまった末永は、自分のジムからも見切りを付けられ、昔のチャンピオン戦の相手からも、まだ引退しない末永のことを応援してくれていたのに「もう辞めろ」と言われる始末。
末永も、自分でも辞めたいのか続けたいのか分からなくなっている。
だが、別れて暮らしている息子だけは「お父さんの夢は世界チャンピオンだろ」と応援してくれるのだった。

ボクシングだけでなく、末永の周囲がどんどんドン詰まりになっていく一方、
未来が明るかった大村にも、過去の亡霊が襲いかかる。
まあ被害者の立場からしたら、あそこでせめてビビってくれていたら、文句だけ言って終わりに出来たのかもしれないが「誰?」はアカンやろ。
被害者はあの時から時が止まっているのに、お前は結婚して、子供も生まれて、ボクシングでも世界チャンピオンになりそうで…それで「アンタ誰?」は、そりゃブチ切れられるわな。

そんな中、大村から最後の試合の相手として、末永に指名が入る。
ジムの会長からは「宮木といい、大村といい、あいつらには本気で戦う理由があったが、お前にはあるのかよ」と言われていた末永だったが、
大村がどうして自分に執着するのか事情も分かり、
「俺ら、引導渡し合うしかないっしょ」
という大村の言葉に、末永もこの試合に自分のボクシング人生を懸けようと決心するのだった…。


「何故彼らは戦うのか?」
ほんと、少年漫画の様に心情的に盛り上げていきますね。
前編の宮木が自分のためにボクシングに熱中していくエピソードも好きだったのですが、後が無い男二人の対決も熱かったです。


P.S.エンディングを観ていたら、辰吉丈一郎さんが、網膜剥離後も毎日鶴見緑地の外周を走っていらしたのを思い出しました。
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