どらみ

記憶の技法のどらみのレビュー・感想・評価

記憶の技法(2020年製作の映画)
3.4
人に備わった機能で一番優れているものが忘れる事と聴いたことがある
花蓮がフラッシュバックする記憶の断片を辿る旅は
過酷なものだったかもしれない
でも両親や友達の温かさや
それぞれが秘かに抱える痛みに気付き
花蓮が大人に向かう為に必要な旅だったと想う
金魚の赤と鮮血
無人かと思うテレビだけがついた煩雑な部屋
夜のフェリー
花蓮の心象風景に重なるような映像が美しい

ソロモンの偽証から注目している石井杏奈
揺れる心をひたむきに演じた
独特の乾いた雰囲気を持つ栗原吾郎
引退作とは残念
柄本時生の後悔と希望のないまぜな雰囲気が作品を引き締めた

黒沢清の愛弟子である池田千尋監督の今後に期待!
吉野朔美先生の原作が読み返したくなった…
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