途切れていた幼年期の記憶に付随して断片的記憶障害のあるヒロインの少女が辿るの真実を探る旅の果てにあるのは厳しさと優しさの共存でした。
韓国への修学旅行用のパスポート申請のため取得した戸籍抄本で、自分が養子である事を知ったヒロインの女子高生を演じる石井杏奈さんが抑えた演技で主演女優として確かな足跡を残します。本年末で所属しているE-girlsは解散との事なので、来年からは女優業に専念して更に飛躍してほしいです。
このネット情報時代に図書館で過去の新聞を閲覧して事件を調べているとか、相手役でバディとなる男子の実態が謎だらけとか、腑に落ちない部分がちょこちょこありますが、クライマックスでの真実と結論をワンシーンで集約させて一気に切り返す構成は見モノです。
池田千尋監督は『クリーピー 偽りの隣人』や『空に住む』の脚本を共同で手掛けている“らしさ”を感じ取れて、今後の展開が楽しみな監督さんです。
試写にて鑑賞
