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無聲 The Silent Forestのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)
4.1



“一緒にいじめていいよ”

“外の世界で孤独になるほうが怖いもん”







実話。





決してあってはならないが、
きっと、古今東西ずっと塞がれ閉ざされ隠蔽されてきた事実なのだろう。

重過ぎる、、、辛すぎる、、、酷すぎる。
とにかく大人がくそったれに歪んでる。
全てのループの諸悪の根源は紛れもなく大人。

ただでさえハンデを背負った聾唖者、尚且つ思春期で過敏であり好奇心や欲望に溢れる年頃。
彼ら(彼女達)の人生に於いても、最も重要な時期と断言出来るかけがえの無い貴重な時間に、屑を通り越して塵にも至らぬほどの下らない欲望の為だけに彼らを利用した大人の罪は極刑に値するほどに胸糞。

過敏な時期のトラウマは、図らずも時を経て癖となり得る闇深いスパイラルが待っている事がある。


事実、
私自身の歪んだ癖に於いても然り、その殆どが中学時代のトラウマにて形成されている事に、今となっては悔やんでも人生が楽しくなくなるので前向きに変態気質を受け入れカミングアウトしている者の一人なので。(ここでその詳細やら経緯を綴ったとて、目障りなだけなので省略m(__)m )



この作品の存在意義をどうかスルーする事なく、弱者が権力者に真っ当にモノ言える世界へと変わって欲しいと切に願わずに居られない。

皮肉にも、この作品のエンディングからはポジティブな道標を見出す事が出来ない。
恐らく、これが紛れもない現実で有るという監督自身の魂の叫びなのだろう。




マイノリティなコミュで起きている救いようのない現実問題を、徹底したリアリズムにより、容赦なく眉間に皺を寄せながら心を抉られるドキュメンタリーに近い作品なので、相当の覚悟は必要では有るが、間違いなく観ておいたほうが良い一作とも言える作品。








“ブラックウィドウ好き?”
“僕はハルクの方が好きだ!”
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