ゆき

The Best Is Yet To Come(英題)のゆきのレビュー・感想・評価

The Best Is Yet To Come(英題)(2020年製作の映画)
4.1
ペンの力

記者に同情心は不要。
夢や希望の平行線上にいつも生活はある。
地下に埋もれてたまるかと地方出身者が這いつくばるのは全世界共通なんだなあ。
誰もが「小伙子」(青年)と呼ぶ、若きジャーナリストがようやく掴んだチャンスと葛藤。一度駆け出せば、止まることは許されない記者という仕事の責任。
A型もB型も区別できない時期に作られた認識が根深い「B型肝炎」への差別へと物語の軸は展開していく。
ランダムに与えられた不幸による生々しい声。負い重なる声と感情、隠れた本音は悲鳴にも聞こえた。
実在の新聞記者をモデルに、感情に沿った音が物語を駆り立てる115分でした。
ジャ・ジャンクーバックアップの元、デビュー作を手掛けたワン・ジン監督。現実の辛辣さを追いながら、時折感情の揺らぎを幻想的に描くギャップが印象的でした。FILMEXの幕開けはこちらから。

正義は一筋縄ではいかないけれど、この世に無関係なものはない。ただそれだけ。

×××
高校中退後、化学工場で働いていた青年は新聞記者を目指し北京へ来た。学歴を重視する世間ではどこにも相手にされずいたが、とある記者と出会い新聞社に実習生として抜擢される。スクープを狙い売血に注目した彼は知られざる社会の闇に遭遇する。
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