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川っぺりムコリッタのごはんのレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
5.0
いろいろ考えたり感じる事も多い作品だけど、白米と味噌汁、漬物、イカの塩辛が美味しそうに見えたらもうそれで良いよねとも言える作品。

予告含め明るめな雰囲気だけど、扱う内容は貧困とか生きるとか死ぬとかなんなら社会不適合者とかそんな重ためな内容。
でも笑わせにくるシーンではムロツヨシだけでなく全員で笑わせにくる感じがとても良い。

あのアパートに住むみんな何かしら秘密とか言いたくないことがあるし、それぞれなんかあるんだろうなーと思いつつも変に詮索しないし、でもふれあいがあるいい距離感なのが羨ましい。近所付き合いってのもちょっと違う感じ。
それこそ同じ釜の飯を食ったってやつなのかな?

個人的には中盤あたりの元花火師のタクシー運転手の話でなんか涙が出た。
エピソードとか想いは素敵な考え方って思うけど、実際もしイベントで遺灰混じりの花火見させられてたとしたらちょっとモヤモヤするかもしれないけど… 世間的には炎上しそう…

命の電話の人が話した事と同じ話を溝口が知り合いの話としてするけど、あれって溝口も命の電話にかけた事ある、自殺とか考えたとこあるって事なのかな?
溝口の過去や秘密は特には語られなかったけど、彼にも何かしらありそうだし。

タクシー運転手の言うように葬式とかお墓参りってのは結局残された遺族のためのものってのも1つの考え方で、他人に迷惑をかけなくて違法とかじゃなければ、みんなで楽しむイベントのように扱っても良いのかもなーと特にラストではそう思った。


今はキラキラした幸せが目立ちすぎるよなぁって、炊き立てのごはんが美味しいだけで嬉しくなる日々は最近送れていない自分に悲しくもなる、幸せとか嬉しいって事を再認識したくなる作品でした。

帰りにイカの塩辛と漬物買って帰りました。

劇中にいた野良猫ホントにそこにいた野良猫らしい。そーゆーのいいな
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