かえるのエリー

川っぺりムコリッタのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
4.0
その不思議なタイトルから気になっていた作品。アマプラで見つけて、晴れた休日の一発目にチョイス。荻上直子監督作は「かもめ食堂」に続き2作目。自然をとても美しく撮る人なのね。





以下ネタバレ感想





♪二酸化炭素を吐き出して〜あの子が呼吸をしているよ〜

イカすバンド天国、通称“イカ天”で一躍有名となったバンド“たま”のヒット曲「さよなら人類」の一節だ。劇中に緑の帽子を被ったギタリストが現れた時、あれ?たまのボーカルの知久?とすぐに感じた。懐かしくなって「さよなら人類」の歌詞をググったら、驚くほどに本作の世界観がそこにあった。興味ある人は是非読んで(聴いて)ほしい。因みにTVドラマ「凪のお仕事」も本作と雰囲気が似ていて、あれも知久がテーマ曲を担当していたと知り納得。

人々の再生をスピリチュアルな事象を絡めて描いた秀作。前科者の主人公ということを前面には出さず、ご近所との半ば強制的な触れ合いを通して、生きることに意味を見出せなかった主人公が前向きになっていく。それを説教臭くなく、時折笑いを織り交ぜて表す様が心地よい(ビンではなくツボの塩辛、伏線回収もウケた)

演者は皆魅力的。主人公の松山はもちろん、ウザいキャラといえばムロツヨシ(笑) 柄本佑の役人も良き。そして満島ひかりと骨の共演(!!)のエロさは凄かった。島田が「亡くなった夫を今も愛している」という台詞が実証されてるよね。強いて言えば江口のりこの無駄使い(笑) もう少し見たかったのは私だけではあるまい。