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Malu 夢路のごはんのレビュー・感想・評価

Malu 夢路(2019年製作の映画)
3.5
夢の中のまどろみ。
思い出す風景はいつも波の音がして、自分の青春は早く、短く、あの港町で止まっている。

姉妹は母親の姿を波音とともに思い出す。
仕事をする母の姿、化粧をする母の顔、心中しようとしたあの日、孤独に泣き苦しんだあの夜……
亡き母を風景に重ねる。夢が現実か。

人々はランの事を思い出す。
ずっとないもののように忘れようとした妹を、大好きだったルームメイトを、猫のように現れた愛人のような謎の女を…
他の人に彼女のことを聞いてみても、全く違う人の姿が出てくる。彼女は一体誰だったのか?本当にそこにいたのだろうか


人々は夢うつつのまま「ホン」と名乗ったランの姿を探す。
名は体を表すように色々なことのあった彼女の人生。他の人からしてみれば嵐というにはとても凪いでいたランとの日々を、夢に見る。
嵐のあとの静けさのような、夢うつつのようなこの日々を、まだ、そこにいるようなランと生きていく。

多分、「まだ苦しい」けれど、それでも生きていくのだ
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