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Malu 夢路のKatoTomokoのレビュー・感想・評価

Malu 夢路(2019年製作の映画)
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この作品を見たTIFFからの帰り道、映画に一家言ある見知らぬおっさんにつかまってマンスプレイニングされちまったんですが、おっさんの感想が映画の本質や私の感想と真逆で逆に面白いかったです(いやウザいし、ションベン掛けるみたいなexplainは是非止めていただきたいが)。

以下、「おっさんの感想」とわたくしの解説です。

●港街に住む姉妹と母親。冒頭、精神に疾患を抱えていると思しき母親が娘二人と心中しようと試みるシーン。この時の姉妹の所作の相違が、この後の物語の軸となる姉妹の分岐を示唆する印象的な場面

お)「あれ、心中するって、普通の人は気づかないよね!僕くらい映画見てないと気づかない不親切な表現だよね!」
と。私にとっては火を見るより明らかな表現でしたが。

●行方をくらました妹が見つかったのは日本。姉の来日と妹の日本での暮しが不規則時な時系列で行きつ戻りつ。妹は売春して身を立てていたようです。
お)「時系列、普通の人はわかんないよね!ちゃんと経過通りにしてあげないと!春を売ってるってのもさー、わかんないよねあれじゃ、やってるってことも意図も。僕くらい(以下略)」

と。前提条件として妹はもういないのだから、分かりますよね。時系列。売春も、なかり直截的な表現でしたよね。

意図に関しては、監督がティーチインで語ってらしたので、私は十二分に分かりましたけど。なんせ制作意図直接聞けたんで。居ましたよね?

●最後、意外な人が想定外の正体を現し、幕切れ。妹の喪失の意味を深めるのでした。
お)「あれとかほんと、意味不明!わかんないよね!」
と。カタルシスって知ってます?って感じっす。

一事が万事こういう感想で。ちなみに日本の最高学府の表象文化論研究室ご卒業だそうです。広告代理店元職員が「CMは偏差値40の人にも理解できるものじゃなきゃダメ」と言っていたとかいなかったとか…ってはあちゅうさんのTweetをうっすら思い出しました。

あと、おっさんにわたくしの感想を一切お伝えできなかったので(わきまえたくないが、口をはさむ余地のない一方通行コミュニケーションだったので)、この場をお借りして記述いたしました。

時節柄海外ゲストが少ない中で、エドモンド・ヨウ監督とプロデューサーは2週間の成田自主隔離を経て映画祭にご登壇くださったとのこと。ティーチインを聞くことができて、うれしかったです。
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