【ネガポジ反転】
写真のネガがポジに反転される様に、ネガティブ(否定的心理)はポジティブ(積極的心理)へと変容してゆく。
スタンダードサイズの画面比率や 多用されるシャロウフォーカスも、写真が印画される直前の朧気な像(現像=幻像)を思い起こす。
そして記録(する行為)は記憶と為る。
作品それ自体がポラフィルム的様相であり、本作を観る(記録する)観客への“偽りの記憶”の如し。
そして観客が 結局は自分自身の本当の記憶と向き合わざるを得ぬ点も 透過(等価)するところだろう。
強いネガはきっと強いポジになるから―。
《劇場観賞》