ジャイロ

林檎とポラロイドのジャイロのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.8
自分を自分たらしめるのは、過去の記憶に他ならない。もし記憶を失ってしまったのなら、いったい自分はどこに行ってしまうのだろうか…

ここは記憶喪失という奇病が多発する社会

何の前触れも無しに記憶が消え去ってしまう

そしてこれはまさか…

テキサス・チェーンソー・マサカー?

(当たった)

極めて静かに淡々と物語は進んでいくのですが、ふいにあることに気付きます。飛び交う憶測をまとめきれないまま、やがて疑惑は確信へと変わっていく…

この辺が実にうまい

掌の上で転がされているような気になります

ただポラロイドだけが積み重なっていく、なんて無機質で哀しいプログラムなのだろう。失ってしまった過去。自分を象るための記憶。林檎とポラロイド。やがて人の心に触れることで、消えてしまった心のろうそくに火が灯される

そして物語は静かな哀しみに包まれていく

こーゆーの嫌いじゃない