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林檎とポラロイドのowlマンのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.0
突然記憶喪失となる病が蔓延している世界で、男は“バス”に乗っているところを保護された。どうも男も記憶がなくなってしまったらしい...

“記憶喪失”になる映画って、今まででしたら、がむしゃらに今までの記憶を思い出そうとしたり、記憶を失くした恐怖感だったり、記憶を失くした家族の再生とかだったりするんですが...記憶を失くした男の新たな日常再発見のヒューマン映画でした。

記憶をなくした人へ医療機関の人が、
プログラムとして、“カセットテープ”で指令を送り、それをした証拠として“ポラロイド”で撮影してね!というものでした。

その風景は結構シュールで、髭顔の無表情な男が自転車に乗った写真やコスプレをしている写真など、日常の風景だけど、どこか可笑しく、不思議な世界感がありました。

物語中に『あれ?この人本当に記憶喪失してる?』という部分が所々に見受けられて、色々と思考を当て込みながら、しかし物語は淡々と進むので、90分ですが少し長く感じました。

チャップリンの名言で『人生は近くから見れば悲劇だが、遠くから見ると喜劇である』(私は漫画でこの名言を知りました💦)映画もそうだと思っています。

この映画も、俯瞰で見たらシュールなコメディっぽい映画ですが、主観(男の心情)で観ると...男の行動の切なさと暖かさが分かる話だなと思いました。

画角がポラロイドのようなので、
シーンひとつひとつが“写真”を切り取ったような場面で素敵です。
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