moemi

林檎とポラロイドのmoemiのネタバレレビュー・内容・結末

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます


画面に映るすべての空間にどこか潔癖感がある。ユーモアとも哀愁とも少しの間隔を保ったような、寡黙さが良い。

最後は、そういうことなのね。

全編を通した俯瞰的な視線も、切り取られたポラロイドも、これまでの人生に経てきたいろんな感情や体験のダイジェスト版みたいなプログラムのミッションも、全部どこか「架空」感があってそれが最後の主人公の姿を見て腑に落ちたかんじ。

どんでん返しっていう派手なひびきは似合わない、真実の静かなる提示…

あまりに辛くて悲しいできごとを受け入れられずに、忘れられたら、苛まれなければ楽になれるって考えるのはごく自然。でも現実として受け止めた時に、忘れてしまうのも悲しいな、って思うのかもしれない。

りんごが記憶の象徴だとしたら、その傷んだ部分を除いて食べるラストシーンはまだまだ解釈を深められそう。
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