このレビューはネタバレを含みます
Twitterで流れてきて気になったので鑑賞。
世界観が星新一やSF漫画の短編ぽくて面白かった。
全体的に浅い色味の画面が目に優しくて、シンプルな衣装や小物が素敵。画面サイズ含め、ポラロイドやカセットテープといったレトロな設えにも安心感がある。
割と序盤からストーリーの伏線と回収を小出しにしていく感じが小気味良く、ゆったりした時間の流れの中でも観ていて飽きないつくり。全体的に思い切った感情の表出があまりないので、主人公がたまに見せる感情の機微や変化がとても印象的に映るし、クスッと笑えるユーモア溢れる場面が上手く効いてる。
主人公は記憶喪失を装ったという見方もあるらしいけど、それにしては病院でのテストへの一喜一憂は不自然に見える。記憶喪失になったのは間違いなくて、ただ全てを思い出すタイミングが早かっただけなんだと思う。
鬱々とするくらいなら、最初から全て無かったことのように過ごしてしまいたくなるかもしれない。主人公の感情の変化があまり見えないのはそのせいかもしれない。でも、彼が途中で出会う女性は?記憶を失ったとはいえ、他人との関わり方に無頓着過ぎやしないか?と感じた。