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アサンテ サーナ/わが愛しのタンザニアのAsskickerのレビュー・感想・評価

3.5
『アサンテサーナ/我が愛しのタンザニア』

冒頭、日本人と黒人の登場、青年海外協力隊の看板、大勢のアジア人、ポンプの到着、タンザニアに居住するアジア人たち、電話ではなく手紙でのやりとり、町一つないカントリーロード、自然に囲まれた地、日本人がタンザニア人に技術の伝達。

この映画に表向きは、技術の伝達とか、発展国の知識の伝授、だが本当に伝えたいことは、黒人奴隷、人種差別、象牙の密猟を通しての自然との関わりだと感じた。終始白人を憎むアフリカの人々の気持ちが汲み取れた。歌の歌詞の中でも目立つ、奴隷としての人生、アフリカ人の運命を語っているシーンからも汲み取れるだろう。


“国は同じでも人間はいろいろ”という台詞があるが、これは日本で悠々と時代の流れに沿って、便利さを追求し国を大きくし利益を儲けることしか頭にない人間と、彼ら青年海外協力隊のように発展途上国に足を運んで日本の技術などを教え、自然を愛する者たちの対比を皮肉を込めて語っているのではないだろうか。ボランティアにきても自分の非力さに気付かされる。

梶の存在はかなり大きなものであり、彼は都会暮らしの男で便利さを求める男で、タンザニア🇹🇿での生活を通して自分の姿、あり方と向き合っていく。

私がこの映画を観て感じたことは、発展国は便利さに体を委ねすぎではないだろうかということである。自分たちがどこの国よりも一番という“競争”しかしておらず、発展途上国はおいてけぼり。技術の伝達が少ない発展途上国と発展国の差はより広がってしまう。都市改革を重点的にし、自然が失われていく。タンザニアの景色を見ただろうか、あの豊かな自然と透き通った海、これこそ我々が求めるものなのではないだろうか。動物たちとの共生を目指す
タンザニアの人々、それに対比し、開拓のため動物の住処を削り、ビルを建てていく発展国。
自然に生きる者たちは、二酸化炭素の排出はもちろん、地球温暖化をすすめる原因は作っていないが、中国、アメリカなど(日本も?)の発展国はどうだろうか。土地開拓をして、地球温暖化に貢献している。完全なる不公平だと感じる。
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